はじめてのクレーム・返品対応|返品ルールの決め方・例文・記録の残し方

※本記事には広告が含まれています。

ネットショップで商品が売れると、とてもうれしいですよね。でも、いつかは「返品したいです」「商品がこわれていました」というメッセージが届くかもしれません。はじめてだと、どきっとして、どう返事をすればいいのか迷ってしまいます。

この記事では、知識ゼロの人でもあわてずに対応できるように、次のことをやさしく説明します。

  • 通信販売(ネットショップ)にはクーリング・オフがないこと
  • 返品ルール(返品特約)の決め方と、どこにどう書くか
  • クレームが来たときの手順と、そのまま使える返信の例文
  • 悪質なクレームへの対応と、記録の残し方

まず知っておきたい「通信販売にはクーリング・オフがない」

「クーリング・オフ」とは、契約したあとでも、決められた期間なら無条件でやめられるしくみです。訪問販売や電話勧誘販売などで使えます。

ところが、ネットショップのような通信販売には、法律上のクーリング・オフ制度はありません。国民生活センターも、ネット通販などの通信販売には法律上のクーリング・オフ制度はないと案内しています。

そのかわり、通信販売では「返品できるか・できないか」を、お店が自分で決めて表示します。これを返品特約(へんぴんとくやく=お店が決める返品の特別なルール)といいます。

返品ルールを書いていないとどうなる?

ここが大事なポイントです。返品特約をきちんと表示していない場合、お客さんは商品を受け取った日をふくめて8日以内なら、送料をお客さんが負担して返品できるとされています(国民生活センターの案内より)。

つまり「返品は受け付けません」と考えていても、ショップに書いていなければ、返品に応じなければならないことがあるのです。だからこそ、返品ルールは最初に決めて、見える場所に書いておくことが大切です。

ゼロ店長

ゼロ店長
「返品ルールは、お店を開く前に決めておくのがおすすめです。あとから考えると、気持ちがあせって判断がぶれやすいですよ。」

返品ルール(返品特約)の決め方

返品ルールで決めることは、大きく分けて次の4つです。

決めること考え方の例
返品できるか「お客さまの都合による返品は受け付けない」「未使用なら受け付ける」など
返品できる期間「商品到着後◯日以内にご連絡ください」のように日数を決める
送料の負担お客さまの都合ならお客さま負担、お店のミスならお店負担、と分けるのが一般的
返品できない商品食品、オーダーメイド品、開封後の消耗品、セール品など

「お客さまの都合」と「お店の責任」は分けて考える

返品には、2つの種類があります。

  1. お客さまの都合:「イメージとちがった」「サイズが合わなかった」など。返品特約のルールに従います。
  2. お店の責任:「こわれていた」「注文とちがう商品が届いた」など。これは返品特約とは別の話で、お店が交換や返金などの対応をするのが基本です。

「返品不可」と書いていても、不良品や送りまちがいまで断ってよいわけではありません。消費者庁の事業者向け資料でも、消費者の権利を不当に制限したり、義務を重くしたりする条項は、消費者契約法などによって無効になることがあるとされています。

返品ルールはどこに・どう書く?

ルールを決めたら、お客さまが買う前に気づける場所に書きます。返品特約の表示についての国のガイドラインでは、見やすい場所に、はっきり読めるように表示することが求められています。とくに「返品できるか」「返品の条件」「返品の送料をだれが負担するか」は大事な項目とされています。

  • 特定商取引法に基づく表記のページ:返品について書く欄があります。書き方は特定商取引法に基づく表記の書き方で説明しています。
  • ご利用ガイドやよくある質問:「返品・交換について」という見出しをつけて、ほかの説明に埋もれないようにします。
  • 商品ページ:オーダーメイド品など「この商品は返品できません」というものは、商品の説明の近くにも書きます。
  • 注文の最終確認画面:2022年6月からは、申し込みの最後の確認画面にも、申し込みの撤回や解除(返品など)に関することを表示するルールになりました。多くのショップ作成サービスでは画面のしくみが用意されていますが、自分の設定が反映されているか一度確認しましょう。

返品ルールの文章例

たとえば、ハンドメイド雑貨のお店なら、次のような書き方ができます。自分のお店に合わせて変えて使ってください。

【返品・交換について】
・お客さまのご都合による返品・交換はお受けしておりません。
・商品の破損や、ご注文と異なる商品が届いた場合は、商品到着後7日以内にご連絡ください。送料は当店が負担し、交換または返金いたします。
・オーダーメイド商品は、破損などの場合をのぞき返品できません。

クレーム・返品の連絡が来たときの対応手順

連絡が来たら、次の順番で進めると落ち着いて対応できます。

  1. できるだけ早く「受け取りました」と返信する:答えがまだ決まっていなくても、まず連絡が届いたことを伝えます。
  2. 事実を確認する:注文番号、届いた日、どこがどうなっているか、写真があるかを聞きます。
  3. 返品ルールと照らし合わせる:お客さまの都合か、お店の責任かを考えます。
  4. 対応の内容を伝える:交換・返金・返品の方法、送料をだれが負担するか、期限を具体的に書きます。
  5. 最後まで見届ける:商品が戻ってきたか、返金が終わったかを確認し、お礼を伝えます。
  6. 原因を見直す:梱包が弱かったのか、説明が足りなかったのかを考え、次に生かします。

こわれて届くことが続くなら、梱包を見直すチャンスです。梱包・ラッピングのコツも参考にしてください。「思っていたのとちがう」という声が多いなら、商品説明の書き方を見直すと、クレームそのものを減らせます。

ゼロ店長

ゼロ店長
「むずかしい内容のときは、すぐに結論を出さなくて大丈夫。『確認して◯日までにお返事します』と伝えれば、お客さまも安心できます。」

言いわけをせず、まず受け止める

お店のミスで迷惑をかけたときは、「配送会社が…」「忙しくて…」などの言いわけは書かず、まずおわびをして、どう直すかを伝えます。心をこめてていねいに対応すると、お客さまの気持ちも落ち着きやすくなります。

そのまま使える返信の例文

例文1:まず受け取ったことを伝える

このたびはご連絡いただき、ありがとうございます。ご不便をおかけしており申し訳ございません。くわしく確認したいので、注文番号と、商品の状態がわかる写真をお送りいただけますでしょうか。確認のうえ、あらためてご連絡いたします。

例文2:破損・送りまちがいのとき

写真をお送りいただき、ありがとうございます。商品に破損があることを確認いたしました。大変申し訳ございません。新しい商品を本日発送いたします。お手元の商品は、同封の着払い伝票でご返送ください。送料は当店が負担いたします。

例文3:お客さまの都合で、返品をお断りするとき

ご連絡ありがとうございます。せっかくお選びいただいたのに、イメージと異なっていたとのこと、申し訳なく思います。大変心苦しいのですが、当店では「返品・交換について」に記載のとおり、お客さまのご都合による返品はお受けしておりません。ご理解いただけますと幸いです。今後の参考にさせていただくため、どのような点が異なっていたか教えていただけるとうれしいです。

例文3のように、断るときも「ルールの場所」を示すと、お客さまも納得しやすくなります。言いわけを長く書くより、短く、ていねいに伝えるのがコツです。

悪質なクレームにはどう対応する?

ほとんどのお客さまは、ふつうに困って連絡をくれています。でも、まれに、こわい言葉を使ったり、無理な要求をくり返したりする人もいます。厚生労働省は、お客さまなどからの暴行・脅迫・ひどい暴言・不当な要求などの著しい迷惑行為を「カスタマーハラスメント」として、対策をよびかけています。

  • ひとりで抱えこまない:家族や信頼できる人に相談します。
  • やりとりは文字で:電話より、メッセージやメールのほうが記録が残り、落ち着いて返事ができます。
  • ルール以上の要求には応じない:「返品ルールに書いた内容で対応します」と、同じ答えを冷静にくり返します。
  • 使っているサービスに相談する:ショップ作成サービスやフリマ・ハンドメイドサイトには、問い合わせ窓口があります。
  • 身の危険を感じたら警察へ:おどしや、家に来るなどと言われたときは、がまんせず警察に相談しましょう。
ゼロ店長

ゼロ店長
「こわい言葉を言われると、つい言われるままに返金したくなります。でも、あせって約束しないこと。いったん時間をおいて、ルールにもどって考えましょう。」

返信を書くのがつらいときは

きびしい言葉を読むと、心がつかれてしまいますよね。そんなときは、文章づくりを手伝ってくれるツールに状況を伝えて返信の下書きを作ってもらい、それを自分の言葉で直す方法もあります。ゼロから書くより、気持ちが楽になります。

  • お客さまの名前・住所・注文番号などは入力しない
  • 送る前に自分で読み直し、できない約束が入っていないか確かめる

記録の残し方

クレームや返品のやりとりは、あとで「言った・言わない」にならないよう、記録を残しておきます。かんたんな表を1つ作っておくだけで十分です。

記録する項目書く内容の例
受付日連絡が来た日付
注文番号・商品名どの注文の話か
内容破損、送りまちがい、イメージちがい など
証拠お客さまからの写真、発送時の写真、配送の追跡番号
対応交換・返金・お断り と、その日付
原因と改善梱包を二重にした、説明文にサイズを追加した など
  • 発送前に写真を撮る:商品と梱包の様子を撮っておくと、「最初からこわれていた」と言われたときに確認できます。
  • メッセージは消さない:サービス内のやりとりも、必要ならスクリーンショットで保存します。
  • 返金の記録はお金の記録にもなる:返金した日と金額は、帳簿(お金の出入りの記録)にもつけておきましょう。

配送中の事故を減らすには、追跡や補償のある発送方法を選ぶのも1つの手です。くわしくは初心者向け 安い発送方法の比較を見てください。

まとめ

  • 通信販売には、法律上のクーリング・オフ制度はありません。
  • 返品ルール(返品特約)を書いていないと、商品を受け取った日をふくめて8日以内なら、お客さまの送料負担で返品できるとされています。
  • 返品ルールは「できるか・期間・送料・できない商品」を決めて、見やすい場所に書きます。
  • 不良品や送りまちがいは、返品ルールとは別に、お店が誠実に対応します。
  • 悪質なクレームはひとりで抱えず、ルールにもとづいて冷静に。記録は必ず残します。

トラブルで困ったときは、消費生活センターなどの公的な窓口で考え方を確認することもできます。ルールや運用は変わることがあるので、最新の情報は消費者庁や国民生活センターの公式サイトで確認してください。

料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。

コメントをどうぞ