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「ネットショップを始めたけど、開業届って出したほうがいいの?」
「書き方がむずかしそうで、なんだかこわい…」
開業届は、名前だけ聞くと大変な手続きに思えます。でも実は、紙1枚(スマホなら数分)でできるかんたんな届け出です。
この記事では、開業届について次のことをやさしく説明します。
- 開業届とはなにか
- 出すメリットとデメリット
- 提出先と期限
- 青色申告承認申請書との関係
- 無料で作れるサービス
開業届とは?
開業届とは、「個人で仕事(事業)を始めました」と税務署に知らせる書類です。正式な名前は「個人事業の開業・廃業等届出書(こじんじぎょうの かいぎょう・はいぎょうとう とどけでしょ)」といいます。
会社をつくる(法人を設立する)のとはちがい、お金はかかりません。ネットショップ、ハンドメイド販売、スキル販売など、個人で事業を始めた人が出す書類です。
会社員のまま副業として始める人でも、事業として続けていくつもりなら出すことができます。
開業届を出すメリット
メリット1:青色申告で税金を安くできる
いちばん大きなメリットは、「青色申告(あおいろしんこく)」ができるようになることです。青色申告とは、きちんと帳簿(お金の出入りの記録)をつける代わりに、税金が安くなる特典を受けられる申告のしかたです。
国税庁によると、青色申告にはこんな特典があります(2026年10月時点)。
- 青色申告特別控除:もうけ(所得)から最高65万円を差し引ける。くわしい帳簿をつけて、e-Tax(ネットでの申告)で出すなどの条件があります。条件を満たさない場合は最高10万円です。
- 家族への給料を経費にできる:一緒に働く家族(15歳以上など条件あり)に払った給料を、届け出の範囲で経費にできます。
- 赤字を3年間くりこせる:赤字になった年の分を、次の年以降3年間のもうけから差し引けます。
メリット2:屋号(お店の名前)で口座をつくりやすくなる
開業届には「屋号(やごう)」というお店の名前を書けます。銀行によっては、開業届の控えがあると屋号つきの口座をつくりやすくなります。プライベートのお金と事業のお金を分けられるので、記録もラクになります。
メリット3:「事業をしている」ことの証明になる
開業届の控えは、個人で事業をしている証明として使える場面があります。補助金や融資(お金を借りること)の手続きで、提出を求められることもあります。
メリット4:気持ちのスイッチが入る
これは数字ではありませんが、「お店をやっている」という自覚が生まれます。記録をつけたり、売上の目標を立てたりするきっかけになります。

ゼロ店長
開業届を出すだけでは税金は安くなりません。青色申告の申請書もセットで出すのがポイントですよ!
開業届を出すデメリット・注意点
メリットが多い開業届ですが、出す前に知っておきたい注意点もあります。
注意1:青色申告は記録の手間がふえる
大きな控除を受けるには、「複式簿記(ふくしきぼき)」というくわしい帳簿のつけ方が必要です。手書きだと大変なので、会計ソフトを使う人が多いです。
注意2:失業手当や扶養に影響することがある
会社をやめて失業手当(雇用保険の給付)をもらう予定の人は、開業届を出すと「仕事を始めた」と見なされ、受け取れなくなる場合があります。また、家族の健康保険の扶養に入っている人は、事業の収入によって扶養から外れることがあります。くわしくはハローワークや、加入している健康保険の窓口に確認しましょう。
注意3:会社の副業ルールは別に確認
開業届は税務署への届け出なので、会社に直接知らされるものではありません。ただし、会社の就業規則(会社のルール)で副業が禁止されていないかは、自分で確認しておきましょう。
注意4:やめるときは廃業の届け出が必要
事業をやめるときは、同じ書類で「廃業」の届け出をします。出しっぱなしにしないよう覚えておきましょう。
提出先と期限
提出先:住んでいる地域の税務署
開業届は、納税地(ふつうは自宅の住所)を担当する税務署に出します。どこの税務署が担当かは、国税庁のホームページで調べられます。
出し方は次の3つです。
- e-Tax(ネット)で出す:本人確認書類の提示やコピーの添付がいりません。
- 税務署に持っていく
- 郵送する
紙で出してマイナンバーを書く場合は、本人確認書類の提示またはコピーの添付が必要です。なお国税庁によると、2026年10月1日から、すべての税務署で総合窓口の受付時間が原則として午前9時〜午後3時になりました(2026年10月時点)。窓口に行く人は時間に気をつけましょう。
期限:開業した年の確定申告の期限まで
国税庁の案内では、開業届の提出期限は「事業を始めた日がある年の分の、確定申告の期限まで」となっています(2026年10月時点)。以前は「開業から1か月以内」と案内されていましたが、今の国税庁の案内はこのようになっています。
たとえば2026年に開業した場合、2026年分の確定申告の期限(2027年3月15日)までに出せばよいことになります。ただし、次に説明する青色申告の申請書には別の期限があるので、開業届も早めに出すのがおすすめです。
青色申告承認申請書との関係
開業届を出しただけでは、青色申告はできません。青色申告をしたい人は、「所得税の青色申告承認申請書」という別の書類も出す必要があります。
この申請書の期限は、国税庁によると次のとおりです(2026年10月時点)。
| ケース | 青色申告承認申請書の期限 |
|---|---|
| その年の1月1日〜1月15日に開業した、またはすでに事業をしている | 青色申告をしたい年の3月15日まで |
| その年の1月16日以降に開業した | 開業した日から2か月以内 |
つまり、年のとちゅうで開業した人は、開業から2か月以内に青色申告の申請書を出さないと、その年は青色申告ができません。開業届と青色申告の申請書は、いっしょに出してしまうのがいちばん安心です。
2027年分から青色申告の控除が変わる予定
2026年度の税制改正で、青色申告特別控除が2027年分から見直されることになりました。e-Taxで申告し、帳簿を電子で保存するなどの条件を満たすと、最大75万円になります。いっぽうで、紙で申告した場合の控除は、今の55万円から10万円に下がる予定です。これから青色申告を始めるなら、最初からe-Taxと会計ソフトを使う前提で準備しておくと安心です。

ゼロ店長
「開業届はあとでいいや」と思っていると、青色申告の2か月の期限をすぎてしまうことも。いっしょに出しちゃいましょう!
開業届の書き方のポイント
開業届には、主に次のことを書きます。
- 納税地:ふつうは自宅の住所
- 氏名・生年月日・マイナンバー
- 職業:「ネットショップ運営」「雑貨販売業」など、わかりやすく
- 屋号:お店の名前(なければ空欄でもOK)
- 開業日:事業を始めた日
- 事業の概要:「インターネットでの雑貨の販売」など、何をするか
- 青色申告承認申請書を出すかどうか:出すなら「有」に
むずかしく考えなくて大丈夫です。わからない欄があっても、次に紹介する無料サービスなら質問に答えるだけで書類ができあがります。
無料で開業届を作れるサービス
手書きが不安な人は、会計ソフトの会社が出している無料サービスを使うと便利です。どちらも、画面の質問に答えるだけで書類が作れます(2026年10月時点)。
| サービス | 料金 | 作れる主な書類 | 提出方法 |
|---|---|---|---|
| freee開業 | 無料 | 開業届、青色申告承認申請書、青色事業専従者給与の届出書など5種類と控え | 電子申告に対応(マイナンバーカードが必要)。スマホだけでも完了できる |
| マネーフォワード クラウド開業届 | 無料 | 開業届、青色申告承認申請書、青色事業専従者給与の届出書など5種類と控え | 電子申告に対応(専用アプリとマイナンバーカードが必要) |
freee開業
公式サイトによると、登録から書類作成、提出まで無料です。入力内容に合わせて必要な書類が決まり、最短5分で作成できると案内されています。スマホだけで手続きを終えられるのも特長です。あとでfreee会計を使うつもりの人は、流れがスムーズです。
マネーフォワード クラウド開業届
公式サイトによると、サービス利用料は0円です。3ステップ(準備・入力・提出)で、最短5分で書類を作れると案内されています。メールとチャットでの操作サポートもあります。マネーフォワード クラウド確定申告とつなげて使いたい人に向いています。
どちらを選んでも、開業届と青色申告の申請書はまとめて作れます。あとで使う会計ソフトに合わせて選ぶのがおすすめです。会計ソフトのちがいは会計ソフト比較 freee・マネーフォワード・弥生の記事で比べています。
まとめ
- 開業届は「個人で事業を始めました」と税務署に知らせる書類。お金はかからない
- いちばんのメリットは青色申告ができること。ただし記録の手間はふえる
- 失業手当や扶養に影響することがあるので、当てはまる人は先に確認
- 提出先は自宅を担当する税務署。期限は開業した年の確定申告の期限まで
- 青色申告承認申請書は、年のとちゅうで開業したら開業から2か月以内。いっしょに出すのが安心
- freee開業やマネーフォワード クラウド開業届なら、無料でかんたんに作れる
副業の確定申告そのものについては、副業の確定申告ガイドでくわしく説明しています。ネットショップをこれから始める人は、ネットショップの始め方7ステップもあわせて読んでみてください。

ゼロ店長
開業届は「お店の開店宣言」みたいなもの。むずかしく考えず、一歩ふみ出してみてくださいね!
料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。税金や届け出のルールも変わることがあります。くわしくは税務署や税理士に相談しましょう。

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