ネットショップの値段のつけ方|利益の計算式・送料込みか別か・消費税の総額表示までやさしく解説

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「この商品、いくらで売ればいいんだろう?」ネットショップを始めると、多くの人がここで手が止まります。安くすれば売れそうだけど、もうけが残るか不安。高くすると売れない気がする。そんな迷い、とてもよくわかります。

この記事では、値段(販売価格)を決めるときの利益の計算式、表で見る計算例、送料込みにするか別にするか、相場(ほかのお店の値段)の調べ方、値下げしすぎないほうがいい理由、そして消費税の表示ルールまで、順番にやさしく解説します。

ゼロ店長

ゼロ店長
値段は「なんとなく」ではなく「計算」で決めるのがコツです。電卓ひとつあればできますよ!

値段を決める前に知っておきたい「利益」の考え方

まず言葉をそろえましょう。売上は、お客さんが払ってくれたお金の合計です。利益は、売上からかかったお金(費用)を全部引いて、手元に残るお金です。

ネットショップでは、商品が1つ売れるたびに、いくつもの費用がかかります。これを見落とすと「売れているのにお金が残らない」ということが起きます。

1つ売れるたびにかかる主な費用

  • 原価:商品を仕入れたお金、または作るのにかかった材料費
  • 送料:お客さんに届けるための運賃
  • 決済手数料:クレジットカードなどでお金を受け取るときにかかる手数料
  • サービス手数料:ネットショップ作成サービスに払う、売れたときの手数料(サービスによってはない)
  • 梱包費:箱・袋・緩衝材(クッション材)・テープなどのお金

利益の計算式

1つ売れたときの利益は、次の式で計算できます。

利益 = 販売価格 -(原価 + 送料 + 決済手数料 + サービス手数料 + 梱包費)

決済手数料とサービス手数料は「販売価格の◯%」のように、値段によって変わるのが特ちょうです。つまり、値段を上げると手数料も少し増えます。だから計算するときは、最後に決めた値段でもう一度たしかめることが大切です。

手数料がかかる金額に送料が含まれるかどうかは、サービスごとにルールがちがいます。自分が使うサービスのヘルプページで確認しておきましょう。サービスごとの手数料のちがいはネットショップ作成サービス比較でくわしくまとめています。

表で見る計算例(例えば、の数字で)

実際に数字を入れてみましょう。ここでの数字はすべて「例えば」の数字です。あなたの商品に合わせて置きかえてください。

例えば、BASEのスタンダードプランは、決済手数料が「3.6%+40円」、サービス利用料が「3%」です(2026年10月時点、BASE公式の料金ページより)。これを使って、販売価格2,000円(送料込み)の雑貨を売る場合を計算します。

項目金額(例えば)メモ
販売価格2,000円送料込みの値段
原価600円仕入れ値の例
送料240円クリックポスト(全国一律、2026年10月1日からの料金)
決済手数料112円2,000円×3.6%+40円
サービス利用料60円2,000円×3%
梱包費50円封筒・緩衝材などの例
利益938円2,000円-1,062円

この例では、2,000円で売っても手元に残るのは938円です。費用の合計は1,062円で、販売価格の半分をこえています。「思ったより残らない」と感じた人も多いのではないでしょうか。なお、クリックポストは2026年10月1日に185円から240円に値上がりしました。送料は時々変わるので、値段を決めた後も年に一度は計算し直すと安心です。

利益率もチェックしよう

利益率は「売上のうち、何%が利益として残るか」です。式は「利益 ÷ 販売価格 × 100」。上の例だと 938円 ÷ 2,000円 × 100 = 約47%です。

何%なら正解、という決まりはありません。ただ、利益率が低いと、返品や送料の値上がりがあったときにすぐ赤字になります。少し余裕を持たせておくと安心です。

逆算で値段を決める方法

「1つ売れたら◯円残したい」から考える方法もあります。例えば、原価600円・送料240円・梱包費50円で、利益を800円残したいなら、手数料を引く前に1,690円が必要です。そこに手数料(このプランなら6.6%+40円)がのるので、販売価格はおよそ1,860円が目安になります(1,860円で計算すると、利益は約807円)。計算した値段で、最後にもう一度上の式に入れてたしかめましょう。

送料込みにする?送料別にする?

送料をどう見せるかも、値段決めの大事なポイントです。どちらにも良いところと注意点があります。

方法良いところ注意点
送料込みお客さんが支払う合計がすぐわかる。「送料無料」と見せられる送料の分だけ商品の値段が高く見える。遠い地域ほど自分の負担が増える場合がある
送料別商品の値段を安く見せられる。実際の送料に合わせて受け取れる最後の画面で合計が上がり、買うのをやめられることがある

全国一律の発送方法(例えばクリックポストやゆうパケットなど)を使う小さな商品なら、送料込みにしても計算がかんたんです。大きくて地域で送料が変わる商品は、送料別のほうが赤字になりにくいです。発送方法ごとの料金は安い発送方法の比較を見てください。

なお、「送料無料」と書いても、お店が送料を払っていることに変わりはありません。送料込みにするなら、必ず送料を費用に入れて計算しましょう。

相場(ほかのお店の値段)の調べ方

自分の計算だけで決めると、ほかのお店とくらべて高すぎたり安すぎたりすることがあります。お客さんは、似た商品を見くらべてから買うことが多いからです。

調べ方の手順

  1. ネットショップや大手のショッピングモールで、自分の商品と同じくらいの品質・大きさの商品を検索する
  2. フリマアプリでは「売り切れ」になった商品の値段を見ると、実際に売れた値段の目安になる
  3. 5〜10個くらい値段をメモして、いちばん安い・高い・まん中あたりを書き出す
  4. 送料込みかどうか、セット数はいくつかもそろえてくらべる

相場がわかったら、自分の計算した値段がその中のどこにあるかを見ます。もし相場より高くなるなら、写真や説明で「なぜこの値段なのか」を伝える工夫が必要です。説明文の書き方は売れる商品説明文の書き方でくわしく紹介しています。

ゼロ店長

ゼロ店長
相場はあくまで「参考」です。いちばん安いお店に合わせる必要はありません。自分の商品の良さを伝えて、納得してもらえる値段をめざしましょう。

はじめは「少し買いやすい値段」から、だんだん上げていく

お店を始めたばかりのころは、まだだれにも知られていません。相場を調べて、まわりより少しだけ買いやすい値段から始めるのも1つの方法です。ただし、上の計算式で利益がきちんと残る値段にしておきましょう。

注文やリピーター(くり返し買ってくれるお客さん)が増えて、お店が知られてきたら、少しずつ値上げしていきます。一度に大きく上げず、「◯月◯日から価格を変更します」と前もってお知らせすると親切です。

最初から「はじめは控えめ」と計画して決めるのと、売れないからあわてて値段を下げるのは、まったくちがいます。次の章で、あわてて値下げするときの落とし穴を見ていきましょう。

値下げしすぎないほうがいい理由

売れないとき、すぐに値下げしたくなるかもしれません。でも、値下げにはいくつか落とし穴があります。

1. 利益がどんどん減る

上の計算例で、2,000円を1,600円に下げると、手数料が少し減っても利益は560円くらいまで減ります。値下げした分は、ほぼそのまま利益から消えます。

2. 元にもどしにくい

一度安くすると、お客さんは「この値段が当たり前」と感じます。あとで値上げすると「高くなった」と思われやすくなります。

3. 「安いお店」と思われる

値段が安すぎると、品質が心配になるお客さんもいます。ていねいに作った商品なら、その価値に合った値段のほうが信頼につながることもあります。

4. セールの見せ方には法律のルールがある

「通常価格3,000円→今だけ1,500円」のように、元の値段とならべて見せる表示を二重価格表示といいます。消費者庁は、くらべる元の値段が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」でないなど、根拠があいまいな場合は不当表示(うその表示)になるおそれがあると説明しています。実際に売っていない値段を「通常価格」として書くのはやめましょう。

売れない理由は、値段ではなく、写真や説明、知ってもらう方法にあることも多いです。値下げの前に、商品写真や説明文を見直してみましょう。

消費税の表示ルール(総額表示義務)

最後に、値段の「書き方」のルールです。消費税法では、お店が一般のお客さんに向けて、前もって値段を表示するときは、消費税を含めた値段(税込価格)を表示することが決められています。これを総額表示義務といいます(消費税法第63条)。2021年4月1日からは、税込の表示が必要になっています。

国税庁と財務省の説明では、お店の表示、チラシ、新聞やテレビの広告など、表示する場所は問わないとされています。ネットショップの商品ページも、前もって値段を見せる場所なので気をつけましょう。

認められている表示の例

国税庁の説明では、税率10%の商品で次のような表示が認められています。

  • 11,000円
  • 11,000円(税込)
  • 11,000円(税抜価格10,000円)
  • 11,000円(うち消費税額等1,000円)
  • 10,000円(税込価格11,000円)

ポイントは「お客さんが支払う合計金額が一目でわかること」です。財務省のガイドラインでは、税抜の値段を大きく強調して、税込の値段とまちがえさせるような表示は、総額表示義務を満たさないとされています。

確認しておきたいこと

  • 財務省のガイドラインでは、消費税の納税を免除されている事業者(免税事業者)は総額表示義務の対象外とされています。ただ、お客さんにわかりやすいように税込で表示しておくのがおすすめです
  • 会社や事業者だけに売る場合など、対象にならないケースもあります
  • 国税庁のページでは、2027年4月1日から2029年3月31日まで、飲食料品の消費税率を引き下げることにともなう総額表示の特例が案内されています。食品を売る人は国税庁の特設サイトで最新情報を確認しましょう

くわしいルールは、国税庁の「総額表示義務」のページや、財務省が公開している総額表示のガイドラインで確認できます。わからないときは、くわしくは税務署や税理士に相談しましょう。

ゼロ店長

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商品を登録したら、お客さんから見える商品ページで「税込の値段」がきちんと表示されているか、一度たしかめておくと安心ですね!

まとめ

  • 利益 = 販売価格 -(原価 + 送料 + 決済手数料 + サービス手数料 + 梱包費)
  • 手数料は値段によって変わるので、決めた値段でもう一度計算する
  • 送料込みは小さな全国一律の発送に向き、送料別は大きな商品に向く
  • 相場は参考にしつつ、いちばん安いお店に合わせる必要はない
  • はじめは少し買いやすい値段から。お店が知られてきたら少しずつ上げる
  • 値下げは利益が大きく減る。前に写真や説明を見直す
  • 二重価格表示は根拠のある値段だけ。値段は税込で表示する

値段決めは、一度で正解を出す必要はありません。計算して、売ってみて、少しずつ調整していけば大丈夫です。お店づくり全体の流れはネットショップの始め方7ステップもあわせて読んでみてください。

料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。

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