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「ネットで買った物の領収書は、印刷しておけばいいの?」
「電子帳簿保存法(でんしちょうぼほぞんほう)って、副業の人にも関係あるの?」
副業をしていると、ネットショップで材料を買ったり、メールで請求書を受け取ったりすることがふえます。こうしたデータでやりとりした領収書や請求書には、保存のしかたのルールがあります。それが「電子帳簿保存法」の中の「電子取引(でんしとりひき)データの保存」です。この記事では、国税庁の資料をもとに、副業の人がおさえておきたいポイントをやさしく説明します。
- 電子帳簿保存法の「電子取引」ってなに?
- 保存が必要になるデータの例
- 保存のときに守る3つのこと
- お金をかけずにできる保存のしかた
- どれくらいの期間、保存するの?
- よくある質問

YOSHI
名前はむずかしそうですが、副業の人がまず知っておきたいのは「データでもらったものは、データのまま取っておく」ということです。順番に見ていきましょう。
電子帳簿保存法の「電子取引」ってなに?
電子帳簿保存法は、税金に関係する帳簿や書類を、データで保存するときのルールを決めた法律です。その中でも、副業の人にいちばん関係があるのが「電子取引データの保存」です。
電子取引とは、請求書や領収書などを紙ではなくデータでやりとりすることです。たとえば、メールでPDFの請求書を受け取ったり、ネットショップの画面から領収書をダウンロードしたりするのが、電子取引にあたります。
どんな人が対象?
国税庁の「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和7年6月)では、対象は所得税や法人税の帳簿・書類を保存しなければならない人とされています(2026年10月時点)。国税庁のパンフレットでは、個人事業者もふくまれると説明されています。
副業でも、事業として帳簿や書類を保存している人は、このルールにそって保存します。自分の副業が当てはまるかどうかわからないときは、税務署に聞いてみましょう。帳簿のつけ方そのものは「副業の帳簿のつけ方」で説明しています。
いつから?
国税庁の資料によると、2023年(令和5年)12月31日までの電子取引は、データを印刷して保存することも事実上みとめられていました。しかし2024年(令和6年)1月からは、決められたルールにそってデータのまま保存することが必要になっています(2026年10月時点)。
保存が必要になるデータの例
国税庁の資料では、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などにあたるデータが対象とされています。受け取ったときだけでなく、自分が送ったときも保存が必要です。副業でよくある例を表にしました。
| 場面 | 保存するもの | 副業での例 |
|---|---|---|
| ネットで買い物をした | サイトからダウンロードした領収書のデータ(PDFなど) | 材料や梱包資材をネットで買った |
| メールで請求書・領収書が届いた | 添付ファイル。取引の内容が本文に書かれているときはメールそのもの | 取引先から請求書がメールで届いた |
| 自分が請求書を送った | 自分が作って送ったデータ | 仕事の請求書をPDFでメール送信した |
| カードやスマホ決済を使った | クレジットカードの利用明細データ、スマホ決済の利用明細 | 仕事用のカードで道具を買った |
一方で、国税庁の一問一答では、取引の内容がふくまれていないメールは保存しなくてよいとされています(2026年10月時点)。「ご注文ありがとうございました」だけで金額などが書かれていないメールまで、全部を残す必要はありません。
また、紙で受け取った領収書を、わざわざデータにする必要はありません。紙でもらったものは、これまでどおり紙で保存します。請求書の作り方は「請求書と領収書の書き方」を見てください。
保存のときに守る3つのこと
国税庁のパンフレット(令和5年7月)では、電子取引データを保存するときのルールが、次の3つにまとめられています(2026年10月時点)。
| 守ること | どういうこと? | かんたんな方法の例 |
|---|---|---|
| ① 改ざん(かいざん)防止 | あとから勝手に書きかえていないことがわかるようにする | 「正当な理由なく、データを直したり消したりしない」というルール(事務処理規程)を作って守る |
| ② 検索できるようにする | 「日付・金額・取引先」でさがせるようにする | ファイル名に日付・金額・取引先を入れる/表計算ソフトで一覧表を作る |
| ③ 見られるようにしておく | パソコンの画面やプリンタで、すぐに見たり印刷したりできるようにする | 保存したパソコンと、画面・プリンタを用意しておく |
「改ざん」とは、内容を勝手に書きかえることです。「事務処理規程(じむしょりきてい)」とは、データのあつかい方を決めた自分用のルール表のようなものです。国税庁のホームページには、事務処理規程や一覧表(索引簿)のサンプルが公開されています。
検索できるようにしなくてよい場合
国税庁の資料では、次のどちらかに当てはまれば、②の「検索できるようにする」はしなくてよいとされています(2026年10月時点)。
- 2年前(前々年)の売上高が5,000万円以下で、税務署からデータを見せてほしいと言われたときに、ダウンロードなどで応じられるようにしている
- データを印刷した紙を、日付と取引先ごとに整理して見せられるようにし、税務署からデータを出してほしいと言われたときにも出せるようにしている(この場合も、データの保存は必要です)
副業の人の多くは、1つ目に当てはまると考えられます。ただし、①改ざん防止と③見られるようにしておくことは、この場合も必要です。

YOSHI
「売上が少ないから何もしなくていい」わけではありません。検索の準備がいらなくなるだけで、データを消さずに取っておくことはいつでも必要ですよ。
お金をかけずにできる保存のしかた
専用のシステムを買わなくても、パソコンのフォルダと表計算ソフトがあれば始められます。国税庁の資料にのっている方法をもとに、手順をまとめました。
- 保存用のフォルダを作る:「2026年_電子取引」のように、年ごとにフォルダを分けます。
- ファイル名のルールを決める:国税庁の例のように「日付_金額_取引先」の順にします。例:
20261015_3300_〇〇商店.pdf - データを受け取ったら、その日のうちにフォルダへ入れる:ネットの領収書は、あとからダウンロードできなくなることもあるので早めに保存します。
- 事務処理規程を作る:国税庁のサンプルを使って、自分用のルールを作り、データを勝手に直したり消したりしないようにします。
- バックアップをとる:パソコンがこわれたときのために、別の場所にもコピーしておくと安心です。
会計ソフトの中には、領収書のデータを取りこんで保存できるものもあります。会計ソフトを選ぶときは「会計ソフト比較」も参考にしてください。
どれくらいの期間、保存するの?
国税庁の一問一答では、電子取引データの保存期間はそれぞれの税金の法律で決められた期間とされています。個人の場合の例は次のとおりです(2026年10月時点)。
| 書類の種類 | 保存期間 |
|---|---|
| 青色申告の人の帳簿・決算関係書類・現金や預金の取引に関する書類 | 原則7年(前々年の所得が300万円以下などの場合は5年のものもある) |
| 請求書・見積書・契約書・納品書などのその他の書類 | 5年 |
消費税の仕入税額控除(しいれぜいがくこうじょ)に使う請求書などは、原則7年とされています(2026年10月時点)。どの書類が何年かわからないときは、長めに取っておくと安心です。経費になるものについては「副業で経費にできるもの・できないもの一覧」を見てください。
年末までにやっておきたいこと
1年分をまとめて整理しようとすると、ダウンロードできる期間が過ぎてしまったり、どれが仕事用か思い出せなくなったりします。確定申告の前に、次のことを確かめておきましょう。
- 今年ネットで買った仕事用の物の領収書を、全部ダウンロードしたか
- メールで受け取った請求書・領収書を、フォルダにまとめたか
- ファイル名が「日付_金額_取引先」のルールになっているか
- 事務処理規程を作って、保存してあるか
年末のお金の準備全体は「年末までにやっておきたい副業のお金の準備」でチェックリストにしています。
よくある質問
Q1. ネットの領収書を印刷して、紙だけ取っておいてもいいですか?
A. 国税庁の資料では、2024年1月からは、データで受け取ったものはデータのまま保存することが必要とされています。印刷した紙を整理しておくことはできますが、その場合もデータは消さずに取っておきましょう(2026年10月時点)。
Q2. スクリーンショットで保存してもいいですか?
A. 国税庁のパンフレットでは、ファイルの形式は問われず、PDFにしたりスクリーンショットをとったりして保存してもよいとされています(2026年10月時点)。金額や日付、取引先がはっきり読めるように保存しましょう。
Q3. 保存のしかたを守れないと、どうなりますか?
A. 国税庁は、システムの準備が間に合わないなど「相当の理由」があり、税務署から求められたときにデータや印刷した紙を見せられる場合には、猶予(ゆうよ)の措置があると説明しています(2026年10月時点)。ただし、準備ができるのに何もしない場合は対象外です。早めに保存のしかたを決めておきましょう。

YOSHI
フォルダを1つ作って、ファイル名のルールを決めるだけでも大きな一歩です。今日もらった領収書から、さっそく保存してみてくださいね。
まとめ
- メールやネットで受け取った領収書・請求書は「電子取引データ」。2024年1月から、データのまま保存する
- 自分が送った請求書のデータも保存する。紙でもらったものは紙のままでよい
- 守ることは「改ざん防止」「検索できるようにする」「見られるようにしておく」の3つ
- 前々年の売上高が5,000万円以下なら、条件つきで検索の準備はいらない(改ざん防止などは必要・2026年10月時点)
- フォルダ分けと「日付_金額_取引先」のファイル名で、お金をかけずに始められる
わからないことは、税務署や税理士に相談しましょう。
料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。

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