年をまたぐ売上はいつの分?|12月に売れて1月に入金されたときの考え方と記録のしかた

年をまたぐ売上はいつの分?

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「12月に商品が売れたけど、お金が振りこまれるのは1月。これって、どっちの年の売上になるの?」
「年末に注文と入金があって、発送は年明け。今年の分?来年の分?」

ネットショップやスキル販売をしていると、年末から年始にかけて、売れた日とお金が入る日が、ちがう年になることがよくあります。どちらの年の売上にするかで、確定申告の金額が変わってしまうこともあります。この記事では、国税庁の資料をもとに、年をまたぐ売上の考え方と、年末にやっておきたい記録のしかたをやさしく説明します。

  • 売上は「お金が入った日」の年ではない?基本の考え方
  • 物を売ったときの「売れた日」の決め方
  • ネットショップでよくある年またぎのケース
  • スキル販売(仕事を受ける副業)の場合
  • 「現金主義」という特例
  • 年末にやっておきたいこと
  • よくある質問
YOSHI

YOSHI
年末年始は、注文・発送・入金の日付がばらばらになりやすい時期です。ルールを1つ決めておけば、確定申告のときに迷わずにすみますよ。

売上は「お金が入った日」の年に入れるとはかぎらない

国税庁のタックスアンサー「No.2200 収入金額とその計算」では、その年の収入になるのは、年末までに実際にお金を受け取ったものだけでなく、「収入すべき権利の確定した金額」だと説明されています(2026年10月時点)。

「権利が確定する」とは、かんたんに言うと「代金をもらえることが決まった」ということです。タックスアンサーには、次のような例がのっています。

できごと日付どちらの年の収入?
商品を売った12月20日売った年(12月20日の年)の収入
代金を受け取った翌年1月10日受け取った日の年ではない
国税庁 タックスアンサーNo.2200の例をもとに作成(2026年10月時点)

また、国税庁の青色申告の決算の手引き(令和7年分)でも、掛け売り(あとで代金をもらう売り方)のようにまだ代金を受け取っていなくても、その年に売り上げたものは全部その年の収入にすると書かれています(2026年10月時点)。

つまり、ネットショップの売上金が振りこまれた日や、フリマアプリの売上金を引き出した日ではなく、「売れた(商品を引き渡した)日」を基準に考えるのが基本です。

物を売ったときの「売れた日」はいつ?

国税庁の「所得税基本通達」(税金のルールの考え方をまとめたもの)の36-8では、商品などを売ったときの収入の時期は「その引渡しがあった日」とされています。さらに36-8の2では、引渡しの日は、次のような日のうち合理的な日から決めるとされています(2026年10月時点)。

基準の例どの日?ネットショップでの例
出荷した日商品を発送した日12月28日にポストへ入れた
相手方に着荷した日お客さんに商品が届いた日12月30日にお客さんに届いた
相手方が検収した日相手が中身を確かめて受け取った日取引先が中身を確認した(お店どうしの取引などで使われる)
所得税基本通達36-8の2をもとに作成(2026年10月時点)

大事なのは、通達に「継続して」その日で収入に計上していることが条件として書かれている点です(2026年10月時点)。今年は発送した日、来年は届いた日、のように都合よく変えるのではなく、自分のお店のルールを1つ決めて、毎年同じように続けるようにしましょう。

小さなネットショップなら、発送した日がいちばん記録しやすいはずです。発送の記録は、送り状の控えや追跡番号の画面にも残ります。

ネットショップでよくある年またぎのケース

「発送した日」を基準にしているお店の場合で、よくあるケースをまとめました。

ケース注文・入金発送どちらの年の売上?
① 年内に発送、入金は年明け12月27日に注文。ショップからの振込は1月12月28日今年の売上(振込日ではなく発送日で考える)
② 年内に入金、発送は年明け12月30日に注文・支払い1月5日来年の売上(年内に受け取ったお金は「前受金」)
③ 予約販売11月に予約と支払い翌年2月発送した年の売上
④ 年内に発送、届いたのは年明け12月29日に注文12月31日(着いたのは1月2日)発送日基準なら今年の売上
「発送した日」を基準にした場合の例(2026年10月時点)

年内に受け取ったお金でも、今年の売上にならないことがある

②のように、商品をまだ渡していないのに先に受け取ったお金を「前受金(まえうけきん)」といいます。国税庁の決算の手引きでは、引き渡しの前に受け取っている前受金などは、その年の収入金額から除くと書かれています(2026年10月時点)。年末に入金があっても、発送が年明けなら、来年の売上として記録します。

予約販売のように、代金を先にもらって発送があとになる売り方は、特に注意が必要です。予約販売のやり方は「ネットショップの予約販売のやり方」で説明しています。

振込のタイミングと売上は分けて考える

ネットショップ作成サービスやフリマアプリでは、売上金がまとめて振りこまれたり、自分で申請してから振りこまれたりします。振りこまれた日は、売上の日ではありません。管理画面の注文一覧などで、1件ずつの注文日・発送日・金額を確かめて記録しましょう。手数料や振込手数料も、売上とは別に記録しておくと、あとで確かめやすくなります。

YOSHI

YOSHI
年末の振込がまだでも「今年の売上」になることがあります。振込の金額だけを見て記録すると、ずれてしまうので気をつけてくださいね。

スキル販売(仕事を受ける副業)の場合

イラストやデザイン、記事を書く仕事のように、完成したものを納品する仕事は、所得税基本通達36-8で「請負(うけおい)」の考え方が示されています。物の引渡しが必要な請負は、全部を完成して引き渡した日が収入の時期とされています(2026年10月時点)。

国税庁の決算の手引きでも、年内に納品している分は、まだ請求していなくても売上(売掛金)にするという図がのっています(2026年10月時点)。12月に納品して、請求書を1月に送ったとしても、今年の売上になります。

できごと日付売上の年
仕事を全部納品した12月25日今年
請求書を送った翌年1月5日(請求した日では決めない)
報酬が振りこまれた翌年1月31日(入金日では決めない)
納品が年内の場合の例(2026年10月時点)

請求書の書き方は「請求書と領収書の書き方」を見てください。

「現金主義」という特例もある

国税庁のタックスアンサーNo.2200では、青色申告者など一定の小規模事業者は、お金の出し入れを基準にする「現金主義(げんきんしゅぎ)」を選べると説明されています。現金主義なら、実際にお金を受け取った日を基準に売上を記録できます(2026年10月時点)。

ただし、だれでも使えるわけではありません。国税庁の手続きの案内では、次のような条件があります。

項目内容
使える人青色申告をしていて、前々年の事業所得と不動産所得の合計が300万円以下の人(小規模事業者)
手続き「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を税務署に出す
出す期限使いたい年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した人は、開業した日から2か月以内)
国税庁「現金主義による所得計算の特例を受けるための手続」をもとに作成(2026年10月時点)

青色申告の届け出をしていない事業所得の人は、これまで説明した「売れた日(引き渡した日)」で考えます。なお、副業が「業務に係る雑所得」で、前々年のその収入が300万円以下の人は、届け出をしなくても、確定申告書にそのことを書けば、お金を受け取った日を基準に計算できます(国税庁タックスアンサーNo.1500・2026年10月時点)。青色申告と白色申告のちがいは「青色申告と白色申告のちがい」で説明しています。

年末にやっておきたいこと

年が明けてから思い出そうとすると、どの注文がいつ発送されたのか、わからなくなりがちです。12月のうちに、次のことをしておきましょう。

  • 自分のお店の基準を決めてメモしておく(例:「売上は発送した日で記録する」)
  • 12月に発送した注文の一覧を作る(注文番号・発送日・金額)
  • 年内に入金があって、発送が年明けになる注文を分けておく(前受金として来年の売上にする)
  • 年内に納品して、まだ請求・入金がない仕事をまとめておく(今年の売上)
  • 年末年始のお休みと最終発送日をお店で知らせておく(年またぎの注文を少なくできる)

帳簿のつけ方は「副業の帳簿のつけ方」、年末のお金の準備全体は「年末までにやっておきたい副業のお金の準備」でまとめています。

よくある質問

Q1. 12月31日に注文と支払いがあり、発送は1月4日でした。どちらの年の売上ですか?

A. 国税庁の決算の手引きでは、商品を引き渡す前に受け取ったお金(前受金)は、その年の収入から除くとされています。発送した日を基準にしているなら、1月4日の年、つまり来年の売上として記録します(2026年10月時点)。

Q2. 発送した日と届いた日、どちらで記録すればいいですか?

A. 所得税基本通達36-8の2では、出荷した日や相手に届いた日など、合理的な日のうち、継続して使っている日で判定するとされています(2026年10月時点)。どちらかに決めて、毎年同じルールで記録しましょう。迷ったら、記録しやすい発送日がおすすめです。

Q3. 副業の所得が少ないので、どちらの年でも同じではないですか?

A. 確定申告が必要かどうかは、1年ごとの所得で決まります。年をまたぐ売上をどちらに入れるかで、申告が必要かどうかが変わることもあります。会社員の副業の確定申告については「会社員の副業の確定申告ガイド」を見てください。

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弥生
YOSHI

YOSHI
まずは「売上は発送した日で記録する」とメモに書いておきましょう。それだけで、年末年始の注文もあわてずに分けられますよ。

まとめ

  • 売上は「お金が入った日」ではなく、代金をもらえることが決まった日(商品を引き渡した日)の年に入れるのが基本
  • 引き渡した日は、発送した日・届いた日など合理的な日から選び、毎年同じルールで続ける
  • 年内に受け取っても、発送が年明けならその年の売上にしない(前受金)
  • 納品する仕事は、全部を引き渡した日の年の売上。請求や入金が年明けでも今年の分
  • 青色申告で条件に合う人は、届出をすれば「現金主義」を選べる(2026年10月時点)

わからないことは、税務署や税理士に相談しましょう。

料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。

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