会社員の副業の確定申告ガイド|「20万円以下なら不要」の本当の意味と、やり方をやさしく解説

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「副業でちょっと売れたけど、確定申告っているの?」
「20万円以下なら何もしなくていいって聞いたけど、本当?」

こんな不安、ありますよね。税金の話は言葉がむずかしくて、つい後回しにしがちです。でも、ルールを知らないまま放っておくと、あとで「申告もれ」になってしまうこともあります。

この記事では、会社員が副業をしたときの確定申告について、できるだけやさしい言葉で説明します。

  • 「20万円以下なら申告不要」の正しい意味
  • 「売上」と「所得」のちがい
  • 確定申告に必要なもの
  • いつまでに出すのか(期限)
  • スマホでできるe-Tax(イータックス)の使い方

そもそも確定申告ってなに?

確定申告とは、「1年間(1月1日〜12月31日)でいくらもうかったか」を自分で計算して、国(税務署)に知らせる手続きのことです。その結果をもとに、払う税金(所得税)が決まります。

会社員の場合、ふだんは会社が「年末調整(ねんまつちょうせい)」をしてくれます。年末調整とは、会社が給料の税金を代わりに計算して、まとめてくれるしくみです。だから多くの会社員は、自分で確定申告をしたことがありません。

ところが、副業のお金は会社の年末調整には入りません。会社は、あなたの副業の売上を知らないからです。そのため、副業でもうけが出たら、自分で申告する必要が出てくるのです。

「20万円以下なら申告不要」の正しい意味

よく聞く「20万円ルール」。これは国税庁のルールで、正しくはこうなっています(2026年10月時点)。

給料を1か所からもらっていて、年末調整を受けている会社員は、給料以外の「所得」の合計が20万円をこえたら確定申告が必要。

ここで大事なポイントが3つあります。

ポイント1:「売上」ではなく「所得」で判断する

20万円は、売れた金額そのもの(売上)ではありません。売上から、かかったお金(経費)を引いた「もうけ(所得)」で判断します。くわしくは次の章で説明します。

ポイント2:20万円以下でも「住民税の申告」は必要

ここが一番かんちがいしやすいところです。20万円ルールは「所得税の確定申告」だけのルールです。住民税(住んでいる市区町村に払う税金)には、この20万円ルールがありません。

たとえば広島市のホームページでは、住民税の申告が必要な人として「サラリーマンで、給与所得以外の所得が20万円以下の人」があげられています。つまり、確定申告をしなくていい人でも、市区町村に住民税の申告をする必要があるということです。

住民税の申告のしかたや時期は、住んでいる市区町村のホームページで確認しましょう。

ポイント3:ほかの理由で確定申告するなら、副業の分も書く

医療費控除(たくさん医療費を払ったときに税金が安くなるしくみ)などで確定申告をする場合は、副業の所得が20万円以下でも、申告書にいっしょに書くのが基本です。「20万円以下だから書かなくていい」とはならないので注意しましょう。

ゼロ店長

ゼロ店長
「20万円以下だから何もしなくていい」は、半分だけ正解なんです。住民税の申告は別に必要なので、忘れないでくださいね!

「売上」と「所得」のちがいを知ろう

確定申告でいちばん大事なのが、「売上」と「所得」のちがいです。

  • 売上(収入):お客さんからもらったお金の合計
  • 経費(必要経費):仕事のために使ったお金(商品の仕入れ代、送料、販売手数料など)
  • 所得:売上 − 経費 = 手元に残った「もうけ」

国税庁も、副業などの所得は「総収入金額 − 必要経費」で計算すると説明しています。

たとえば、ネットショップで1年に30万円売れたとします。仕入れ代や送料、手数料などの経費が15万円かかったら、所得は15万円です。この場合、所得は20万円以下なので、所得税の確定申告は不要です(住民税の申告は必要です)。

逆に、売上が30万円で経費が5万円しかなければ、所得は25万円。20万円をこえるので、確定申告が必要になります。

経費になるもの・ならないもの

経費になるのは、副業のために使ったお金だけです。ネット販売なら、次のようなものが考えられます。

  • 商品の仕入れ代・材料費
  • 送料、梱包(こんぽう)の資材
  • ネットショップやフリマアプリの手数料
  • 副業で使う分のスマホ代・ネット代(仕事で使った割合だけ)

家族とのごはん代や、プライベートの服など、副業と関係ないものは経費になりません。迷ったら、レシートをとっておき、あとで税務署などに確認するのがおすすめです。

いらない物を売っただけなら?

家にある使わなくなった服や家具など、ふだんの生活で使っていた物を売った場合は、基本的に税金はかかりません。ただし、仕入れて売る「せどり」のように、もうけるために続けて売っている場合は副業の所得になります。ちがいがわからないときは、税務署に相談しましょう。

副業の所得は「雑所得」?「事業所得」?

副業の所得は、多くの場合「雑所得(ざつしょとく)」か「事業所得(じぎょうしょとく)」に分かれます。

  • 雑所得:お小づかいかせぎ程度の副業。国税庁は、営利目的で続けている副業の例として、原稿料やシェアリングエコノミー(物やスキルを貸し借りするサービス)の所得をあげています。
  • 事業所得:本格的に「事業」としてやっている場合。開業届を出し、帳簿(お金の出入りの記録)をきちんとつけているかなどが目安になります。

事業所得として「青色申告」をすると、所得から大きな金額を差し引ける特典があります。くわしくは開業届の出し方の記事で説明しています。

なお、雑所得でも、前々年の副業の売上が300万円をこえる人は、請求書や領収書などを保存する決まりがあります(2026年10月時点)。売上が少なくても、レシートや記録は残しておくクセをつけましょう。

確定申告に必要なもの

会社員が副業の確定申告をするときに、用意するものはこちらです。

  1. 源泉徴収票(げんせんちょうしゅうひょう):会社から年末〜1月ごろにもらう、1年間の給料と税金が書かれた紙
  2. 副業の売上がわかるもの:ネットショップの売上レポート、入金の記録など
  3. 経費がわかるもの:レシート、領収書、ネットで買った物の購入履歴など
  4. マイナンバーカード:e-Taxで申告するときに使います
  5. 税金を払う・受け取る口座の情報
  6. 控除の書類(あれば):医療費の明細、ふるさと納税の受領証明書、iDeCoの証明書など

いちばん大変なのは、1年分の売上と経費をまとめる作業です。12月になってからあわてないように、毎月少しずつ記録しておくのがコツです。

ゼロ店長

ゼロ店長
レシートは「封筒に月ごとに入れるだけ」でもOK!記録が苦手な人は、会計ソフトを使うとぐっとラクになりますよ。

会計ソフトについては、会計ソフト比較 freee・マネーフォワード・弥生の記事でくわしく比べています。

確定申告の期限はいつ?

確定申告は、1年分(1月〜12月)のもうけを、次の年の2月中ごろ〜3月中ごろに申告します。

国税庁によると、2026年(令和8年)分の確定申告の期間は、2027年2月16日〜3月15日です(2026年10月時点)。税金を払う期限も、原則として3月15日です。

また国税庁は、2026年分の確定申告から、確定申告会場での休日(土日)の相談を行わない予定だと発表しています。そのかわり、自宅から申告できる方法を広げていく方針です。平日に税務署へ行けない会社員は、次に説明するe-Taxを使うのが便利です。

期限におくれるとどうなる?

期限をすぎても申告はできますが、本来の税金に加えて、ペナルティの税金(無申告加算税や延滞税など)がかかることがあります。「よくわからないから放っておく」がいちばん損をします。早めに準備しましょう。

スマホでできる!e-Taxで申告する流れ

e-Tax(イータックス)は、インターネットで確定申告ができる国のしくみです。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の質問に答えていくだけで申告書が作れます。国税庁も「スマホとマイナンバーカードでe-Tax」を案内しています。

  1. マイナンバーカードと、カードを読み取れるスマホを用意する
  2. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を開く
  3. 源泉徴収票の内容(給料と税金)を入力する
  4. 副業の売上と経費を入力する
  5. 控除(医療費やふるさと納税など)があれば入力する
  6. 内容を確認して、マイナンバーカードで送信する
  7. 税金を払う必要があれば、期限までに納付する

e-Taxなら、税務署に行かなくてOK。夜や休日でも、自宅から申告できます。

副業が会社にバレたくない人は

副業の住民税は、何もしないと給料からまとめて引かれ、会社に金額が伝わることがあります。申告書には、住民税の払い方を選ぶ欄があります。副業分を「自分で納付(普通徴収)」にすると、会社に伝わりにくくなります。ただし、雑所得や事業所得以外では選べないケースや、市区町村によって対応がちがうこともあります。気になる人は、住んでいる市区町村に確認しましょう。

2026年に知っておきたい税金ルールの変更

税金のルールは、毎年少しずつ変わります。会社員の副業に関係しそうな変更を、かんたんにまとめます(2026年10月時点)。

  • 基礎控除(だれでも所得から引ける金額)が引き上げ:2026年(令和8年)分から、金額が上がりました。たとえば国税庁によると、合計所得132万円以下の人は104万円、655万円超2,350万円以下の人は62万円です。
  • 給与所得控除の最低額が引き上げ:財務省の資料によると、給料から引ける金額の最低額が、2026年分から65万円から74万円になりました。
  • 青色申告の特別控除が見直し(2027年分から):e-Taxで申告し、帳簿を電子で保存するなどの条件を満たすと最大75万円に。いっぽう、紙で提出した場合は10万円に下がる予定です。

ただし、「20万円をこえたら確定申告が必要」という基本のルールは変わっていません。これからは、紙よりもe-Taxで申告するほうが有利になる流れです。

ゼロ店長

ゼロ店長
これから確定申告を始めるなら、最初からスマホのe-Taxに慣れておくのがおすすめです!

まとめ

  • 会社員は、給料以外の「所得」が20万円をこえたら確定申告が必要
  • 20万円以下でも、住民税の申告は別に必要
  • 判断するのは「売上」ではなく「所得(売上−経費)」
  • 2026年分の申告期間は2027年2月16日〜3月15日(2026年10月時点)
  • スマホとマイナンバーカードがあれば、e-Taxで自宅から申告できる

まずは今日から、売上と経費の記録を始めてみましょう。それだけで、来年の確定申告がぐっとラクになります。

料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。税金のルールも毎年変わることがあります。くわしくは税務署や税理士に相談しましょう。

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