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「白色申告だと『収支内訳書』という書類がいるらしいけど、何を書けばいいの?」
「経費の欄がたくさんあって、どこに入れればいいかわからない」
副業のネットショップやスキル販売を白色申告で確定申告する人は、確定申告書といっしょに「収支内訳書(しゅうしうちわけしょ)」を出すのが基本です。収支内訳書とは、1年間の売上と経費の内容を、決まった形の表にまとめた書類のことです。この記事では、国税庁の案内や「決算の手引き」をもとに、だれが必要なのか、それぞれの欄に何を書くのか、作る前に準備することを、順番にやさしく説明します。
- 収支内訳書が必要な人
- 作る前に準備するもの
- 1ページ目の欄の意味(収入・売上原価・経費)
- 書くときに気をつけたいポイント
- 2ページ目の明細の書き方
- 収支内訳書の作り方と出し方
- よくある質問

YOSHI
収支内訳書は、1年間の帳簿を「まとめの表」にしたものです。ふだんの記録ができていれば、あとは数字を写していくだけなので、こわがらなくて大丈夫ですよ。
収支内訳書が必要な人
国税庁のタックスアンサー(No.2080)では、事業所得・不動産所得・山林所得がある白色申告の人は、確定申告書を出すときに収入や経費の内容を書いた書類(収支内訳書など)をつけることが必要とされています(2026年10月時点)。
| あなたの状況 | 収支内訳書 | かわりに出すもの |
|---|---|---|
| 副業が「事業所得」で、白色申告 | 必要 | ― |
| 副業が「事業所得」で、青色申告 | いらない | 青色申告決算書 |
| 副業が「業務に係る雑所得」で、前々年のその収入が1,000万円をこえる | 必要 | ― |
| 副業が「業務に係る雑所得」で、前々年のその収入が1,000万円以下 | つける決まりはない | ― |
「業務に係る雑所得」とは、事業といえるほどの規模ではない副業の所得のことです。令和4年分からは、前々年のその収入が1,000万円をこえる人も収支内訳書をつけることになりました(2026年10月時点)。事業所得と雑所得のちがいは「副業が赤字になったらどうなる?」、青色と白色のちがいは「青色申告と白色申告のちがい」で説明しています。
作る前に準備するもの
収支内訳書は、ふだんつけている帳簿の数字をもとに作ります。白色申告の人も、売上や経費を帳簿に記録して保存することが決められています。国税庁の案内では、取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて書くなどの、かんたんな方法でもよいとされています(2026年10月時点)。
| 準備するもの | 使う欄 |
|---|---|
| 1年分(1月1日〜12月31日)の売上の記録 | 売上(収入)金額 |
| 仕入れの記録と、年末の在庫の金額(棚卸し) | 売上原価 |
| 経費の記録と、レシート・領収書 | 経費の各欄 |
| パソコンなど高い物を買った記録 | 減価償却費 |
| 自宅を仕事にも使っている場合の、使っている割合のメモ | 地代家賃・水道光熱費など |
帳簿のつけ方は「副業の帳簿のつけ方」、年末の在庫の数え方は「ネットショップの棚卸しのやり方」で説明しています。
1ページ目の欄の意味
収支内訳書(一般用)の1ページ目には、大きく分けて「収入金額」「売上原価」「経費」の欄があり、最後に所得金額(もうけ)を出します。考え方はとてもシンプルで、収入 − 売上原価 − 経費 = 所得です。
収入金額の欄
| 欄の名前 | 書くこと |
|---|---|
| 売上(収入)金額 | 1年間に売り上げた金額の合計。まだ入金されていない分もふくむ |
| 家事消費 | 売り物を自分や家族で使ったり、人にあげたりした分 |
| その他の収入 | 売上以外で、仕事に関係して入ったお金 |
売上原価の欄
商品を仕入れて売っている人は、ここを書きます。国税庁の決算の手引きでは、売上原価 = 年初の棚卸高 + 1年間の仕入高 − 年末の棚卸高と説明されています(2026年10月時点)。収支内訳書では「期首商品棚卸高」「仕入金額」「期末商品棚卸高」の欄に書きます。スキル販売などで仕入れがない人は、空けておきます。
経費の欄
経費は、科目(しゅもく)ごとに分けて書きます。ネット副業でよく使う科目の例は次のとおりです。
| 科目 | ネット副業での例 |
|---|---|
| 荷造運賃 | 商品を送る送料、段ボールや緩衝材 |
| 通信費 | スマホ代・ネット回線代のうち仕事で使った分 |
| 広告宣伝費 | SNS広告、ショップのチラシ |
| 消耗品費 | 10万円未満の道具、文房具 |
| 旅費交通費 | 仕入れや打ち合わせに行った電車代 |
| 外注工賃 | 撮影やデザインを人に頼んだ代金 |
| 減価償却費 | パソコンなど高い物を何年かに分けて経費にする分 |
| 地代家賃・水道光熱費 | 自宅を仕事にも使っている場合の、仕事の分 |
| 雑費 | ほかのどの科目にも入らない、少ない金額の経費 |
どの科目に入れるか迷う支払いは、毎年同じ科目に入れるようにすると、あとでくらべやすくなります。どれが経費になるかは「副業で経費にできるもの・できないもの一覧」も見てください。
書くときに気をつけたいポイント
- 売上は「売れた日」で数える:手引きでは、代金をまだ受け取っていなくても、その年に商品をわたした分は収入になると説明されています。12月に売れて1月に入金された分も、その年の売上です。
- 家事消費は売る値段で書く:手引きでは、売り物を自分で使った分は、ふつうに売る値段で計算するとされています。ただし、仕入れの値段が売る値段のおおむね70%より低いときは、売る値段の70%で計算してもよいとされています(2026年10月時点)。
- 自宅で使う費用は分けて書く:家賃や電気代などのうち、生活に使った分は経費になりません。使っている広さや時間など、説明できる割合で分けます(家事按分)。
- 経費にならない税金がある:手引きでは、所得税・住民税・国民健康保険料・延滞税などは経費にならないとされています(2026年10月時点)。
- 高い物は減価償却する:10万円未満の物はその年の経費にできます。10万円以上20万円未満の物は「一括償却資産」として、3年で3分の1ずつ経費にする方法もあります(2026年10月時点)。
年をまたぐ売上の考え方は「年をまたぐ売上はいつの分?」、減価償却は「減価償却ってなに?」でくわしく説明しています。
家族に払ったお金は原則として経費にならない
同じ家計でくらしている家族に払った給料や家賃は、原則として経費になりません。白色申告で事業所得の人は、一定の条件を満たす家族について「専従者控除」を受けられる場合があります。上限は配偶者が86万円、配偶者以外が50万円ですが、専従者控除をする前の所得を「控除を受ける家族の人数+1」でわった金額のほうが少ないときは、そちらが上限になります。雑所得の人は使えません(2026年10月時点)。条件があるので、くわしくは国税庁の案内で確認してください。
2ページ目の明細の書き方
2ページ目には、1ページ目の数字の中身を書く欄があります。たとえば次のような欄です。
| 明細の欄 | 書くこと |
|---|---|
| 売上(収入)金額の明細 | おもな売上先と金額 |
| 仕入金額の明細 | おもな仕入先と金額 |
| 減価償却費の計算 | 資産の名前、買った年月、買った金額、耐用年数、仕事で使う割合、ことしの経費の金額など |
| 地代家賃の内訳 | 家賃を払っている相手、仕事に使う分の金額 |
書き方は、様式についている説明や国税庁の「決算の手引き」にのっています。迷ったときは、税務署に確認しましょう。
収支内訳書の作り方と出し方
| 作り方 | 特ちょう |
|---|---|
| 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」 | 画面の案内にそって数字を入れると、確定申告書といっしょに作れる |
| 会計ソフト | ふだんの記録から自動で作れる。銀行やカードの明細も取りこめる |
| 紙の様式に手書き | 様式は税務署や国税庁のサイトで手に入る |
できあがった収支内訳書は、確定申告書といっしょに提出します。e-Taxを使えば、スマホやパソコンから出すこともできます。手順は「確定申告をスマホでする方法」、会計ソフトの使い方は「会計ソフトの最初の設定と使い方」で説明しています。
よくある質問
Q1. 副業が雑所得で、収入が少ない場合も収支内訳書を出したほうがいいですか?
A. 前々年の業務に係る雑所得の収入が1,000万円以下なら、つける決まりはありません(2026年10月時点)。ただし、確定申告では収入と経費の金額を書く必要があるので、計算のもとになる記録は残しておきましょう。
Q2. 経費の科目をまちがえたら、どうなりますか?
A. 科目は、経費の中身をわかりやすく分けるためのものです。大事なのは、仕事に必要な支払いかどうかと、金額が正しいことです。毎年同じ支払いは同じ科目に入れると、くらべやすくなります。
Q3. 収支内訳書の控えは、とっておいたほうがいいですか?
A. はい。帳簿やレシートといっしょに保存しておきましょう。国税庁の案内では、白色申告の人の帳簿は7年、領収書などの書類は5年の保存が必要とされています(2026年10月時点)。来年の収支内訳書を作るときにも、年初の在庫の金額などで使います。

YOSHI
まずは1年分の売上と経費の記録がそろっているかを確認しましょう。年が明ける前に記録を整えておくと、収支内訳書づくりがぐっと楽になりますよ。
まとめ
- 収支内訳書は、1年間の売上と経費を決まった形の表にまとめた、白色申告の人の書類
- 事業所得の白色申告の人と、前々年の業務に係る雑所得の収入が1,000万円をこえる人は、確定申告書につける(2026年10月時点)
- 1ページ目は「収入金額」「売上原価」「経費」。収入 − 売上原価 − 経費 = 所得
- 売上は売れた日で数える。自宅で使う費用は家事按分し、経費にならない税金に注意する
- 作成コーナー・会計ソフト・手書きのどれかで作り、確定申告書といっしょに出す
わからないことは、税務署や税理士に相談しましょう。
料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。

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