青色申告と白色申告のちがい|副業はどっちがいい?控除額・帳簿・2027年からの改正まで

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副業の確定申告を調べていると、「青色申告(あおいろしんこく)」と「白色申告(しろいろしんこく)」という言葉が出てきます。「青色のほうが得って聞くけど、むずかしそう」「副業でも青色にできるの?」と迷う人は多いはずです。

この記事でわかること

  • 青色申告と白色申告のちがい(控除額・帳簿・赤字の繰越など)を一覧表で
  • 2027年分から変わる青色申告特別控除(成立済みの改正)
  • 青色申告の申請期限
  • 副業が「事業所得」か「雑所得」か。2022年以降の国税庁の考え方
  • 副業で青色申告にすべきかの判断のしかた

確定申告が必要かどうかの基本は副業の確定申告ガイドに、開業届の書き方は開業届の出し方にまとめています。

青色申告と白色申告って何?

どちらも、個人が確定申告をするときの「申告のしかた」の種類です。

  • 白色申告:特別な申請をしなければ、自動的にこちら。帳簿はかんたんなものでOK。
  • 青色申告:事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を出して認められた人だけができる。帳簿をきちんとつけるかわりに、税金が安くなる特典がある。

大事なポイントは、青色申告ができるのは「事業所得」「不動産所得」「山林所得」がある人だけということです。副業のもうけが「雑所得(ざつしょとく)」に当たる場合は、青色申告の特典は使えません。この区分はあとの章でくわしく説明します。

青色申告と白色申告のちがい一覧

国税庁のタックスアンサー(No.2070、No.2072)などをもとに、2026年分の確定申告(2027年に申告するもの)のちがいをまとめました(2026年10月時点)。

項目白色申告青色申告
事前の申請いらない青色申告承認申請書の提出が必要
帳簿かんたんな帳簿でOK複式簿記(ふくしきぼき)なら最高65万円控除。簡易な帳簿なら10万円控除
特別控除なし最高65万円(e-Taxで提出など)/55万円(紙で提出)/10万円
赤字の繰越し原則できない(災害などの例外あり)翌年以後3年間、赤字を繰り越せる
家族への給与専従者控除(配偶者は最高86万円、その他は1人50万円まで)届け出た範囲の給与を経費にできる(青色事業専従者給与)
10万円以上40万円未満の物一度に経費にできない一度に経費にできる特例あり(合計300万円まで)
決算書収支内訳書青色申告決算書(複式簿記なら貸借対照表も)

※白色申告の専従者控除の金額は、国税庁タックスアンサーNo.2075によります。家族を雇っていない副業の人には、あまり関係ありません。

「赤字の繰越し」とは?

たとえば1年目に、仕入れや機材で30万円の赤字が出たとします。青色申告なら、この赤字を翌年以降3年間に持ちこして、黒字から差し引けます。始めたばかりで赤字が出やすい副業には、うれしい特典です。

ゼロ店長

ゼロ店長
青色申告のいちばんの特典は「特別控除」です。もうけから最大65万円を差し引けるので、そのぶん税金が小さくなりますよ。ただし、もうけが65万円より少ないときは、もうけの金額までしか引けません。

2027年分から青色申告特別控除が変わります(改正は成立済み)

令和8年度(2026年度)の税制改正で、青色申告特別控除が見直されました。この改正をふくむ「所得税法等の一部を改正する法律」は、2026年3月31日に成立・公布されています(財務省)。2027年分(2028年に申告する分)の所得税から適用されます。

記帳と提出のしかた2026年分まで2027年分から
複式簿記+e-Taxで提出+優良な電子帳簿などの保存65万円75万円
複式簿記+e-Taxで提出65万円65万円(変わらない)
複式簿記+紙で提出55万円10万円
簡易な帳簿(前々年の事業の収入が1,000万円以下)10万円10万円(変わらない)
簡易な帳簿(前々年の事業の収入が1,000万円超)10万円0円

出典:財務省「令和8年度税制改正の解説」、国税庁のチラシ(青色申告特別控除の要件の見直し)。75万円控除の細かい要件(どんな電子帳簿の保存が必要か、届出が必要か)は、国税庁の案内を確認してください。

副業の人にとって大きいのは、紙で申告すると、複式簿記でも10万円になってしまう点です。2027年分からは、e-Tax(インターネットでの申告)がほぼ前提になると考えておきましょう。なお、個人住民税は2028年度分から適用される予定と説明されています。

ゼロ店長

ゼロ店長
紙で出すと55万円だった控除が、10万円まで下がるのは大きな変化です。今のうちにe-Taxで申告する準備(マイナンバーカードなど)をしておくと安心ですよ。

青色申告の申請期限

青色申告をするには、税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を出します(国税庁タックスアンサーNo.2070)。

状況提出期限
すでに副業をしていて、来年から青色にしたい青色申告をしたい年の3月15日まで
その年の1月16日以後に新しく開業した開業した日から2か月以内

たとえば2027年分から青色申告にしたい人は、2027年3月15日までに出せば間に合います。開業届と一緒に出すことが多いです。e-Taxでも、税務署への郵送や持参でも提出できます。

「来年から」のつもりが期限を過ぎると、その年は白色申告になります。忘れないうちに出しておきましょう。

副業は「事業所得」?「雑所得」?2022年以降の国税庁の考え方

青色申告ができるかどうかは、副業のもうけが「事業所得」か「雑所得」かで決まります。ここが副業の人にとっていちばん大事なポイントです。

国税庁の通達が見直された流れ

国税庁は2022年(令和4年)8月、「副業の収入が300万円以下なら原則として雑所得」とする通達(所得税基本通達35-2)の改正案を出しました。しかし、パブリックコメント(一般の人からの意見募集)で多くの意見が集まり、内容が大きく修正されました。

修正後の考え方は、次のようになっています(国税庁 所得税基本通達35-2の注書き、2026年10月時点)。

  • 事業所得かどうかは、社会通念上「事業」といえる程度に行っているかで判断する
  • その所得の取引について帳簿書類を保存していない場合は、原則として「業務に係る雑所得」になる
  • ただし、収入が300万円を超え、事業所得と認められる事実がある場合は、帳簿がなくても雑所得とは限らない

つまり、「300万円以下だから必ず雑所得」ではありません。帳簿をきちんとつけて保存しているかが、大きな目安になったということです。

「事業」といえるかの目安

帳簿の保存だけで決まるわけではなく、ほかにも次のような点から総合的に判断されます。

  • もうけを目的に、継続して(くり返し)行っているか
  • かけている時間や手間はどのくらいか
  • 売上がある程度あり、それなりの規模になっているか
  • 赤字が何年も続いていないか(ほかの所得を減らすための赤字ではないか)
くらべるところ事業所得業務に係る雑所得
青色申告できるできない
赤字をほかの所得(給与など)と差し引く(損益通算)できるできない
帳簿つけて保存しているのが前提前々年の収入が300万円超なら領収書などの保存義務あり
ゼロ店長

ゼロ店長
会社員の副業で、売上が少なく、帳簿もつけていない場合は「雑所得」になるのがふつうです。青色申告を考えるなら、まずは帳簿をつけて、事業として続けていく体制を作ることからですね。

副業で青色申告にすべき?判断のしかた

青色申告が向いているかどうかは、次の質問で考えてみましょう。

  1. 副業を事業として続けていくつもりか:ネットショップを毎月運営している、継続的に仕事を受けているなど。
  2. 帳簿をつけられるか:会計ソフトを使えば、複式簿記の知識がなくても記録しやすくなります。
  3. もうけがある程度出ているか:もうけが小さいと、特別控除の効果も小さくなります。
  4. e-Taxで申告できるか:2027年分からは、紙だと控除が10万円になります。
こんな人おすすめ
ネットショップやスキル販売を継続していて、帳簿をつける気がある青色申告を検討
まだお試し段階で、売上も少ないまずは白色で記録の習慣をつける
単発の仕事や、ときどき不用品を売るだけ雑所得になることが多く、青色申告の対象外

帳簿づけには会計ソフトが便利です。くらべ方は会計ソフト比較 freee・マネーフォワード・弥生を参考にしてください。

まとめ

  • 青色申告は事前の申請が必要。そのかわり特別控除や赤字の繰越しなどの特典がある
  • 2026年分は最高65万円。2027年分からは最高75万円になり、紙での申告は10万円に下がる(改正は2026年3月31日に成立)
  • 申請期限は、青色にしたい年の3月15日まで(1月16日以後の開業なら2か月以内)
  • 青色申告ができるのは事業所得など。帳簿を保存していない副業は、原則として雑所得
  • まずは帳簿をつける習慣から始めるのが近道

青色申告にするか、事業所得になるかは、一人ひとりの状況で変わります。くわしくは税務署や税理士に相談しましょう。

料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。

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