副業と住民税をくわしく解説|計算の仕組み・特別徴収と普通徴収・申告の注意点

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「副業の所得税は20万円以下なら申告しなくていいって聞いたけど、住民税は?」「住民税の“自分で納付”って、どこで選ぶの?」
副業を始めると、住民税のことでつまずく人がとても多いです。所得税と住民税はルールが少しちがうので、まぎらわしいのです。

この記事では、住民税の計算の仕組みと手続きにしぼって、くわしく説明します。会社員の副業全体の話は会社員の副業ガイド、確定申告のやり方は副業の確定申告ガイドにまとめているので、あわせて読んでみてください。

  • 住民税はどうやって計算されるのか
  • 特別徴収と普通徴収のちがい
  • 確定申告書の第二表での選び方
  • 確定申告がいらなくても住民税の申告が必要な場合
  • ふるさと納税への影響

住民税の基本|「去年の所得」に「今年住んでいる場所」でかかる税金

住民税は、住んでいる市区町村と都道府県におさめる税金です。ポイントは次の3つです。

  1. 前の年(1月〜12月)の所得をもとに計算されます。
  2. その年の1月1日に住んでいる市区町村から課税されます。
  3. おさめ始めるのは、だいたい6月からです。

つまり、副業で今年もうけた分の住民税は、来年の6月ごろからおさめることになります。お金を使いすぎて、あとで払えなくなることがないように、少しとっておくと安心です。

なお、ここでいう「所得」は、売上そのものではありません。売上から経費を引いた残りのことです。副業の所得の考え方は経費にできるもの一覧も参考にしてください。

住民税の計算の仕組み|「所得割」と「均等割」の2つ

住民税は、大きく2つの部分でできています。

部分どんなもの?金額の目安(標準)
所得割(しょとくわり)所得が多いほど多くなる部分課税所得の10%(市区町村6%+都道府県4%)
均等割(きんとうわり)所得にかかわらず、決まった額市区町村3,000円+都道府県1,000円
森林環境税均等割といっしょにおさめる国の税金1,000円

※(2026年10月時点)上の表は「標準」の税率です。自治体によっては少し上乗せしているところがあります。たとえば神奈川県大和市の案内では、県民税の所得割が4.025%、均等割の合計が森林環境税をふくめて年5,300円とされています。お住まいの自治体のホームページで確認しましょう。

所得割の計算の流れ

  1. 給与の所得と副業の所得などを合計する
  2. そこから所得控除(基礎控除や社会保険料控除など)を引く = 課税所得
  3. 課税所得に税率(標準10%)をかける
  4. 調整控除やふるさと納税などの税額控除を引く

住民税の基礎控除は、所得税の基礎控除とは金額がちがいます。大和市の案内では、令和8年度(令和7年分の所得)の住民税の基礎控除は、合計所得金額2,400万円以下なら43万円です。所得税より控除が小さいので、所得税はかからないのに住民税はかかるということがよくあります。

副業の所得がふえると、どのくらいふえる?

考え方の例です。すでに会社の給与で住民税を払っている人なら、均等割はもう払っています。そのため、副業でふえるのは主に所得割です。標準税率10%なら、例えば副業の所得(売上−経費)が10万円ふえると、住民税の所得割はおおよそ1万円ふえる、というイメージです。あくまで目安で、控除の状況によって変わります。

ゼロ店長

ゼロ店長
住民税は「去年のもうけ」に「来年」かかる税金です。副業で利益が出た年は、その1割くらいを住民税用によけておくと、6月にあわてずにすみますよ。

特別徴収と普通徴収のちがい

住民税のおさめ方は2種類あります。むずかしい名前ですが、中身はシンプルです。

特別徴収普通徴収
ひとことで給料から天引き自分で払う
回数年12回(6月〜翌年5月の給料から)年4回(6月・8月・10月・翌年1月の各末日が目安)
払い方会社が代わりにおさめる届いた納付書や口座振替などで自分でおさめる
注意点副業の分も会社の天引き額にふくまれる払い忘れると延滞金がかかることがある

※納期は神戸市の案内による例です(2026年10月時点)。末日が土日祝日なら翌平日になります。自治体によって日にちが少しちがうことがあります。

会社員の場合、何も選ばなければ、副業の分の住民税も会社の給料からの天引き(特別徴収)にまとめられます。すると、会社が受け取る住民税の通知の金額が、給料だけの場合より多くなります。副業の分を自分で払いたい人は、次の章の「自分で納付」を選びます。

「自分で納付」を選べるのは給与以外の所得だけ

ここが大事なポイントです。普通徴収(自分で納付)を選べるのは、給与・公的年金等“以外”の所得にかかる住民税だけです。ネットショップやスキル販売などで出た事業所得や雑所得は対象になります。

一方、副業がアルバイトやパートなど給与の場合は、原則として選べません。鹿児島市の案内では、令和8年度(令和7年中の所得)から、2か所以上から給与をもらっている人の給与分の住民税は、主たる勤務先からの特別徴収になると説明されています。

確定申告書の第二表での選び方

確定申告をする人は、確定申告書の第二表で住民税のおさめ方を選びます。

  1. 第二表の下のほうにある「住民税・事業税に関する事項」を見つけます。
  2. その中の「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」という欄を探します。
  3. 「特別徴収」と「自分で納付」のうち、「自分で納付」に○をつけます。
  4. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作る場合も、住民税に関する入力画面で同じ項目を選べます。

文京区の案内では、確定申告の期限内に提出して「自分で納付」を選ぶ方法が説明されています。期限をすぎると、市区町村の住民税の計算に反映が間に合わないことがあるので、早めに出しましょう。また、税額そのものは変わらず、変わるのは払い方だけです。

「自分で納付」を選んでも天引きになる場合

選んだのに、結局すべて特別徴収になることがあります。鹿児島市や文京区の案内では、次のような例があげられています。

  • 副業の所得がマイナス(赤字)の場合
  • 源泉徴収票にない控除(医療費控除など)の合計が、申告した副業の所得より大きい場合
  • ふるさと納税などの税額控除が、副業の所得から生じる住民税額より大きい場合

取りあつかいは自治体によってちがうことがあります。不安な人は、確定申告の前後にお住まいの市区町村の住民税の担当課に「副業の分を普通徴収にしたい」と相談しておくと確実です。

ゼロ店長

ゼロ店長
「自分で納付」は、会社のルールをやぶってよいという意味ではありません。副業が許されているか、就業規則は先に確認しておきましょうね。

確定申告がいらなくても、住民税の申告は必要な場合がある

会社員で、副業など給与以外の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告はいらない場合があります(くわしい条件は副業の確定申告ガイドへ)。

でも、住民税には「20万円以下なら申告不要」というルールはありません。鹿児島市の案内では、個人住民税は所得税と異なり、所得の金額にかかわらず申告が必要とされています。神戸市も、給与以外の所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要な人は、住民税の申告が必要なケースとしてあげています。

住民税の申告のしかた

  1. お住まいの市区町村のホームページから「住民税申告書(市民税・県民税申告書)」を手に入れます。
  2. 副業の売上・経費・所得を書きます。
  3. 「給与、公的年金等以外の所得に係る徴収方法」の欄があれば、「自分で納付」を選べます。
  4. 期限(神戸市の例では2月1日〜3月15日)までに、住民税の担当課へ提出します。

なお、所得税の確定申告をした人は、住民税の申告はいりません。確定申告の内容が税務署から市区町村に送られるからです。「確定申告をするか、住民税の申告をするか、どちらか1つ」と覚えておくとわかりやすいです。

ふるさと納税への影響

副業をしている人がとくに気をつけたいのが、ふるさと納税です。

注意1:申告するとワンストップ特例は使えなくなる

ワンストップ特例は、確定申告をしなくてもふるさと納税の控除を受けられる仕組みです。ところが、確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になります。川口市の案内では、住民税の申告をした場合も無効になると説明されています。

そのため、副業で申告する人は、ふるさと納税の寄附もすべて申告書に書く必要があります。確定申告書なら、第一表の寄附金控除の欄と、第二表の都道府県・市区町村への寄附の欄です。書きわすれると、控除が受けられないことがあります。

注意2:控除の上限は住民税の金額で決まる

総務省の説明では、ふるさと納税は寄附額から2,000円を引いた分が、所得税と住民税から控除されます。このうち住民税の「特例分」には、住民税所得割額の2割という上限があります。上限をこえると、自己負担が2,000円より多くなります。

副業で利益が出ると、所得割がふえるので上限も上がる方向に動きます。反対に、経費が多くて副業が赤字なら、上限は下がる方向に動きます。副業の利益は年末までわかりにくいので、寄附額は余裕をもって決めるのが安全です。

ゼロ店長

ゼロ店長
ワンストップ特例を出したあとで「やっぱり副業の申告をする」となったら、ふるさと納税の分も申告書に入れ直しましょう。受領証明書は捨てずに保管しておくと安心です。

住民税の通知が届いたらチェックすること

住民税の金額は、毎年5〜6月ごろに届く通知書でわかります。届いたら次の点を見てみましょう。

  • 副業の所得が正しくのっているか
  • 「自分で納付」を選んだのに、普通徴収の納付書が届いているか
  • ふるさと納税の控除が反映されているか(摘要欄に「申告特例適用除外」などの記載がないか)
  • 納期限をカレンダーやスマホに登録したか

おかしいと思ったら、通知書に書かれている問い合わせ先(市区町村の住民税の担当課)に連絡しましょう。帳簿をつけておくと、こうした確認がぐっと楽になります。会計ソフトの比較も参考にしてください。

まとめ|迷ったら役所と税務署に相談しよう

  • 住民税は「前の年の所得」に、「1月1日に住んでいる市区町村」でかかる
  • 標準は所得割10%+均等割(自治体で少しちがうことがある)
  • 給与以外の副業所得は、第二表で「自分で納付(普通徴収)」を選べる
  • 確定申告がいらなくても、住民税の申告は必要な場合がある
  • 申告するとふるさと納税のワンストップ特例は無効。寄附も申告書に書く

住民税の取りあつかいは、市区町村によって細かい部分がちがいます。住民税の申告や徴収方法のことは、お住まいの市区町村の住民税の担当課へ、確定申告のことは税務署へ相談しましょう。どちらも無料で相談できます。くわしくは税務署や税理士に相談しましょう。

料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。

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